港区の文化財を通じた江戸追体験~260年の平和を支えた精神と仕組みを探求する〜
2026年4月18日、港区内の徳川関連文化財を題材に、観光ボランティアガイド向けのまち歩きツアー(第1回)を開催しました。本ツアーで共有されたのは、歴史への理解に加え、ガイドとしての実践的な視点や伝え方の工夫です。参加者の半数以上が初参加であったことから、基礎的な心構えから具体的な説明技法まで、幅広い内容が扱われました。
基礎的な心構えとして特に強調されたのは、「(観光ボランティアガイド自身の)自己紹介」の重要性です。自身のエピソードを交えた印象的な語りを交えることで、来訪者の関心を引く導入としての役割が期待できます。あわせて、ガイドブックに載っていない知識や地域固有の由来を伝え、来訪者の関心に応じて柔軟に説明を変える姿勢。ツアー内では、その一例として、「門は外から見て左側を開けることで、刀による襲撃時に防御しやすい構造になっている」などの説明があり、参加者自身が楽しみながら学ぶ様子がみられました。
また、昨今ニーズが増加しているインバウンドへの対応では、来訪者の質問傾向を踏まえ、ガイド自ら問いかけることで対話を促す手法が紹介されました。徳川の平和を「パックス・トクガワーナ」として説明するなど海外の歴史概念と結びつける工夫や、「神道と仏教の違い」「参拝作法」など、来訪者から多く寄せられる質問への対応の重要性が共有されました。
講師は、自身も旅行会社での勤務経験のある黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ)日本遺産普及協会代表監事。これまでの自身の経験を交えながら、ガイドに求められる姿勢や役割までが体系的に示され、観光ボランティアガイドとして学びを深める絶好の機会となりました。

