中央区・港区江戸の文化財活用推進協議会では、観光ボランティアの方を対象に、3つのコースで「江戸文化財ガイド研修」を行っています。2026年5月15日(金)、1つ目のコースである「日本橋本町通りの老舗街を巡る」から「江戸の街道と日本橋地域の文化財」をテーマに第1回目のガイド研修(座学)が開催されました。
本研修では、江戸の経済・文化を支えた日本橋地域の歴史を学びます。研修会の講師を務めたのは、江戸都市史研究家の後藤宏樹(ごとう・ひろき)氏です。
文化財として紹介されたのは、国史跡に指定されている「常盤橋門跡」。この地域は中世(室町時代)以来の市街地・繁華街で、江戸時代初期に江戸城外郭の正門として、この門と橋が架けられました。数度の修復を経て、1877(明治10)年に改築された現在の橋は東京都内最古の橋で、庭園にあるものを除いて、江戸時代の技術を受け継ぐ、唯一現存する石橋と言われています。後藤氏は、「この常盤橋門と常磐橋は、江戸時代から町場として栄えた地域間をつなぐだけでなく、江戸時代と明治時代の技術をつなぐ“時代の架け橋”とも言えます」と解説。今後予定されている観光ボランティア向け「まち歩きガイドツアー」に向け、参加者が新たな視点を持って日本橋周辺を散策するきっかけとなる情報でした。
続いて「町人地の景観」として、江戸時代は町人地(江戸時代の城下町や都市において、商人や職人(町人)が居住し、商業や手工業を営んだ地区)だった日本橋周辺の歴史が解説されました。街道に面してまちが広がっていき、江戸時代後期には、正方形の区画の間に路地が引かれて現在の短冊状の町割りになったと言います。中央区内で「ペンシルビル」と呼ばれる細長いビルが多く見られる背景には、こうした江戸時代のまちの成り立ちも深く関係しているのです。
参加者は、60名余りの応募の中から抽選で選ばれた20名。熱心に耳を傾け、「たいへん面白かったです」「まち歩きガイドツアーが楽しみです」といった感想が聞かれました。

